交通事故で起こる後遺症とは?運動障害が起きた時は、後遺障害等級の認定が必要!

交通事故に遭うと、何かしらの後遺症を残す可能性があります。交通事故で起こりえる後遺症とは、どのようなものがあるのでしょうか。これから、交通事故でなりやすい後遺症についてご説明します。また、運動障害が残ってしまった時は、後遺障害等級の認定を受けることが大切です。

後遺障害等級に関してもご説明しますので、参考にしてみてください。

交通事故の後遺症で最も多いのが「むち打ち」

交通事故の後遺症で最も多くみられるものが「むち打ち」です。頸部をぶつけることが原因ではなく、頭頸部が揺れ動いて頸椎に衝撃があると、症状が現れます。具体的な症状とは、頸部のしびれや痛み、背中や肩のコリなどです。

神経を損傷しているため、頭痛や耳鳴り・めまいを引き起こす場合もあります。むち打ちになった場合は安静にして、頸椎を動かさないことが大切です。痛みの強い急性期を過ぎてから、リハビリを開始します。リハビリをしっかりと行えば、運動障害が残る可能性は低いです。

脳の後遺症「高次脳機能障害」「低髄液圧症候群」

「高次脳機能障害」とは、交通事故や病気で脳に刺激があった場合に起こるものです。脳が持っている認知機能に障害が起こります。よって、会話中に言葉が出ない現象を引き起こしてしまうのです。言語機能だけでなく、思考力や記憶力・学習能力などにも影響します。

また、症状が重い場合は、記憶喪失になりやすいです。脳の損傷によって、行動や精神の異常が起こる場合もあります。高次脳機能障害になると、運動障害も併発することが多いです。脳の損傷具合で症状は変わり、仕事ができる人もいれば、介護が必要になる人もいます。

「低髄液圧症候群」も、交通事故によって引き起こされやすい脳の後遺症です。脳に衝撃があると、髄液を包んでいる「硬膜」が損傷してしまいます。よって、内側にある髄液が外に漏れてしまうのです。髄液の圧力などが変わり、めまいや頭痛などを引き起こします。

特に、座っている状態から立ち上がる時、めまいによってふらついてしまうでしょう。低髄液圧症候群は、交通事故直後から症状がでるわけではありません。多くの場合、交通事故から期間が経過してから、めまいなどで発覚します。

めまいだけでなく、視力狭窄や吐き気などがあった場合は、病院への受診が必要です。自然治癒を待ちますが、積極的に穴をふさぐ治療をする時もあります。

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手足に障害が残る後遺症「上肢機能障害」「下肢機能障害」

「上肢機能障害」とは、肩関節と肘関節・手関節に障害が出ることです。上肢や指の全部または一部が欠損してしまう欠損障害、関節の可動域が少なくなる機能障害、形が変わる変形障害があります。症状の状態で、交通事故後に認定される後遺障害の等級は変わるでしょう。関連サイト>>弁護士法人アディーレ法律事務所|交通事故 後遺障害

「下肢機能障害」は、股関節と膝関節・足首の関節に障害が出ることです。

下肢でも、欠損障害と関節可動域の機能障害・変形障害があります。下肢の場合、片方欠損による両足不均衡の短縮障害が認められる場合も多いです。上肢機能障害・下肢機能障害も運動障害が起こり、交通事故前にできたことができなくなる可能性があります。

よって、後遺障害等級では、運動障害を伴う認定をされることが多いでしょう。欠損した場合は、欠損部位を補う治療をします。補う治療をしない場合は、残っている部位のみで活動する訓練が必要です。可動域が変わった時は、薬物療法やリハビリをすると、状態が改善しやすくなります。

変形した部位はリハビリや外科的治療によって治すことになるでしょう。

外貌が変わってしまう「外貌醜状」

「外貌醜状」とは、交通事故の衝撃を頭や顔に受けて、頭や顔面・首などの部位に傷が残ることです。具体的には、組織陥没や傷跡が見た目で分かる部位にできることをいいます。外貌醜状は、交通事故そのもので受けた傷だけではありません。

顔面や頭部の手術をする場合が多く、手術によってできた縫い跡なども含まれます。

交通事故で後遺症が残ったら申請する後遺障害等級とは?

交通事故に遭って後遺症が残ると、後遺障害等級の認定を受けることが可能です。認定を受けると、給付金などの支援が受けられます。後遺障害等級の認定を受ける時は、事前認定もしくは被害者請求によって、申請をすることが必要です。

事前認定は、加害者側が申請をします。被害者は後遺障害診断書を用意しますが、それ以外の申請手続きは任せてもいいのです。しかし、被害者自身が有利になる資料の提出はできません。よって、納得できない等級になる場合があります。

被害者請求とは、加害者側の自賠責保険へ被害者自身が申請する方法です。この場合、被害者が有利になる資料の添付が認められています。後遺障害等級の申請には、後遺障害診断書が必要です。それ以外にも、交通事故証明書や事故発生状況の報告書を用意します。

治療を受けた時には、診療報酬明細書やレントゲンなどの検査結果があるといいでしょう。

脊柱に運動障害が残った時、どのように等級が決まるのか?

交通事故の後遺症が脊柱に起こると、運動障害を引き起こす可能性が高いです。後遺障害等級で認定されるのは、脊柱に運動障害を残した時の8級2号、著しい運動障害が残る場合の6級5号になります。

脊柱の後遺障害等級の認定では、見た目で判断することはできません。よって、X線やCT・MRIなどのレントゲン写真が必要です。また、脱臼や脊椎圧迫骨折がある場合も、それらを証明できる診断書がいるでしょう。さらに項背腰部の軟部組織に器質的変化があることも必要です。

痛みによる運動障害の場合、局部神経症状になるため12級や14級になります。脊柱に著しい運動障害が残る6級5号の場合、「胸腰と頸部の両方が強直している」が条件です。関節が強直して、全く動かない場合やそれに近い状態をいいます。

例えば、参考可動域の角度が10%以下になると、6級5号の条件に当てはまるでしょう。関節強直に加え、「胸腰椎と頸椎それぞれに脊椎圧迫骨折があり、X線で確認できる」「胸腰椎と頸椎それぞれに脊椎固定術が行われた」「項背腰部軟部組織の器質的変化が明らか」のいずれかがないと認定されません。

8級2号と認定されるのは、「参考可動域の1/2以下」まで制限された場合です。それに加え、「胸腰椎または頸椎に脊椎圧迫骨折があり、X線で確認できる」「胸腰椎または頸椎に脊椎固定術が行われた」「項背腰部軟部組織に異常可動性が生じた」のいずれかが必要になります。

また、頭蓋や上位頸椎間に異常可動が生じたものも、8級2号に認定される条件です。

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