交通事故による腰椎圧迫骨折での後遺症

どんなに安全運転の方でも突然の事故のリスクは伴うものです。場合によっては、事故後自身で歩行することさえ困難になるケースもあります。昨今の交通事故のなかで最も多いのが整形外科のけがで、特に腰椎圧迫骨折の場合、大きな後遺症を抱えることもあるでしょう。

今回は、リスクの高い腰椎圧迫骨折と交通事故についてご紹介します。

腰椎圧迫骨折とは?

腰椎圧迫骨折とは、外部から加えられた何らかの圧力によって腰椎を骨折することです。特に骨密度が低下した高齢者や、女性に多いともいわれているけがで、なかには少しの圧力で骨折してしまう方もいます。また、5つある骨のうち、どこを骨折するかによって症状や障害のレベルも異なります。

共通して言えることは、下半身のしびれや痛みが出てくることです。腰椎のなかには、脊髄といって下半身の運動系や神経系を制御している神経があります。この神経を圧迫されることでしびれや痛み、場合によっては歩行や排せつが困難となることもあるのです。

重症の場合はこのような大きな後遺症を抱えることとなります。また、腰椎圧迫骨折はすべての場合に手術をするわけではありません。事故後の状況や年齢によるリスクなどを考慮し手術は実施せず、一定期間臥床して過ごすこともあります。

筋力や体力が少ない高齢者にとって長期間臥床することは、さらなる全身の機能低下のリスクがあり予防は欠かせません。そのため、治療やリハビリの負担も多いといえます。また、腰椎圧迫骨折が治っても脊柱変形を起こしたままである方もいるため、後遺症に悩まされることも少なくないでしょう。

腰椎変形により起こる後遺障害とは?

腰椎圧迫骨折による脊椎変形で、しびれや痛みが残ってしまうこともあります。そういった場合は、治療やリハビリを続け症状と付き合いながら生活することになります。また、脊椎変形により姿勢が悪くなるだけでなく、日常生活の動作などたくさんのことに支障が出てくることでしょう。

なぜなら、腰椎は主に体幹を支える脊柱管という柱で、体幹をねじる運動や、脊髄神経を保護する中枢となる役割を担っているからです。正常な状態であれば横から見ると綺麗なS字カーブを描き、体幹がしっかりと支えられているのですが、腰椎が変形してしまうと運動機能や内臓機能に障害を起こし正常な状態で日常生活を送ることが難しくなるのです。

このように腰椎自体が変形している場合、慢性的な治療が必要となるでしょう。治療の期間が長くなれば費用の負担も多くなり困っている方もいます。そういった場合は、事故での後遺症と認められることで事故後の生活もある程度、保障されるため早期に診断しておくことをおすすめします。

事故後の受傷状況や画像、医師の診断書は証拠となるため、正当な権利を得ることができます。後に事故であることが発覚した場合、受傷後の証拠がなければ申請も難しいため、注意が必要です。

交通事故後の後遺障害等級とは?

事故後後遺障害が認められた場合、自賠責保険から一定の保険金が支払われますが、この金額は後遺障害が労働能力に与える影響によって個人個人異なるため、後遺障害等級表で判断されます。そのため個人に適正な金額が支払われるようになっています。

後遺障害等級表とは、障害のレベルをあらわした項目を選択することで労働能力喪失率を計算できるため、年間でどの程度収入が減少したかわかるのです。この障害等級が認定されれば保険金が支払われますが、なかには該当項目がない場合があり困ってしまう方もいるでしょう。

この場合、認定自体ができないわけではありません。たとえ該当項目がなくても、相当等級といって後遺障害が認められる可能性があります。なかには後遺障害が残っているのにもかかわらず公的機関に依頼したのに認定できなかった方もいますが、そういった場合は、専門家である弁護士に依頼することも検討してみてください。

専門家に依頼すれば、より正当な補償を受けられることでしょう。

就労中の事故の場合

交通事故による慰謝料は等級によって異なります。軽傷の場合は擦り傷程度で通院することもありませんが、重症の場合は慢性的なけがであることも多く治療やリハビリに長期にわたることも考えられます。特に、腰椎圧迫骨折のようなけがは慢性的になりやすく、長期間の療養を強いられることもあるでしょう。

この場合、事故の経緯や状況によっては補助金や保険により、就労できなくても、ある程度の費用は賄えるといえます。また就労中に起こった事故の場合は、厚生労働省が指定する労災指定病院に入院することもできます。労災指定病院であれば、診療、治療、療養の費用を支払うことなく補償と給付を受け取れます。

費用だけでなく、労災請求の手続きも楽に済むためおすすめです。また、薬局や整骨院などにも労災指定はあり、必要に応じて利用できます。腰椎圧迫骨折のような慢性的治療が必要なけがは、労災指定期間であれば安心して治療ができるでしょう。

このように、さまざまな機関を利用すれば自身の負担も大きく減るため、正しく選択していくことは大切です。

交通事故のリスクは誰でもある

昨今、交通機関や乗り物の安全自動システム導入などにより、以前より安全性も高まっているといえます。しかしながら、交通事故は年々減少傾向にあるものの平成29年度の事故件数は年間47万2,165件あり、うち死亡事故件数は3,630件と少なくはありません。(交通事故総合分析センター調査による)また、警察庁資料によると自動車事故の70%以上が1年未満のドライバーであるといわれていますが、次いで多いのが10年以上のベテランドライバーであるというデータがあります。(平成22年警察庁調査による)

交通事故は経験年数問わずリスクはつきものであり、一人ひとり配慮が必要です。特に最近は、高齢者による事故や煽り運転などによる事故が問題視されています。自身が気を付けていても、そういったトラブルに巻き込まれてしまうリスクは誰でも同じであり、日々リスクに備えて配慮する必要があるでしょう。

先述したように事故を起こすと場合によっては長期間後遺症に悩まされることになり、後遺症の症状が重ければ今後、就業自体が難しくなることもあります。そのため自身だけでなく、家族を守るためには、普段から事故における保障について理解しておくことが大切です。

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